舞台業務従事者に役に立つサイト

HOME

stagearchives

音響用語集ハ~ホ舞台スタッフに役立つ用語集-STAGE ARCHIVES

ハイ受け

音響機器を接続する方法。電圧伝送の考え方で、信号源のインピーダンスを低く、負荷側のインピーダンスを高くして機器を接続する方法を「ロー出しハイ受け」と略していう。利点は電圧損失が少ないことや負荷の並列接続が容易にできること。欠点は磁気導を受けやすいこと。

バイアンプシステム (bi-amp system)

可聴周波数帯域を二つ以上に分割し、それぞれの帯域ごとにアンプを使用して、各帯域専用のスピーカーを駆動する方法をバイアンプシステムという。(

分割する帯域の数により、2ウェイ~4ウェイなどがある。参照:クロスオーバーネットワーク

ハイカットフィルタ (high cut filter)

高音域を減衰させ、低音域だけを通過させるフィルタのこと。

ハイパーカーディオイド (hyper cardioid)

マイクロホンの単一指向性のひとつで、スーパーカーディオイドよりもさらに側面の感度を下げたもの。しかし正面と背面の感度差がなく、背面からのかぶり音が多くなる。

ハイパスフィルタ (high pass filter)

設定した値より下の低音域を減衰させ、値より上の周波数帯域は通過させるフィルター 参照:フィルター

ハウス送り

ハウスとは劇場、ホールまたは観客席のこと。音響機器を持ち込んだとき、ミキシングした音を劇場の設備に送ること。同義語:小屋送り

ハウスPA

出演者のためのモニターに対して、観客席のためのPAのことをいう。

ハウリング (howling)

スピーカーから出た音がマイクロホンで収音され、増幅されて再びスピーカーから送出され、これが繰り返されて生じる発振現象のこと。

ハース効果 (the hass effect)

複数のスピーカーから同一信号の音を出した場合、先に聞こえたスピーカーの方向から音が出ているように感じる現象をいう。この効果は、到達時間差が1~30ミリ秒の範囲で生じ、時間差50ミリ秒以上になると互いに分離して聞こえる。ハース効果を応用したSRシステムは、先に聞かせるスピーカーに対して、5ミリ秒~20ミリ秒程度時間を遅らせると良い。

バスレフレックス型エンクロージャー (bass reflex enclosure)

位相反転型、または略してバスレフという。スピーカーユニットの背面から出る音は、前面から出る音とは逆相になる。

そこでスピーカーを箱に取り付けてポートという共振ダクトを設け、背面の低音を共振させて位相を反転し、スピーカー前面の音と同じ位相にした音をポートから出すのがこの方式。低音域の特性が向上する。

バックローデッドホーン (back loaded horn enclosure)

スピーカーユニットの背面にホーンをつけて、背面に放射された音の低音域がホーンを通って前面に出てくるようにしたもの。低音域の補強を主目的としている。

パッチング (patching)

 つなぎ合わせるという意味。端子間を接続すること。

パッド (pad)

回路の途中に挿入して信号を減衰させ、レベルを調節するための減衰器。通常、減衰量を可変できない固定型の抵抗減衰器をパッドといい、可変できるものをアッテネーターという。

バッファーアンプ (buffer amplifier)

ふたつの回路を結合する場合、互いに影響しないように緩衝の目的で入れるアンプのこと。

はね返りスピーカー (fold back speaker)

ステージ上にいる人に演奏音や再生音を聞かせるためのスピーカーのこと。略してFBと書く。フォ-ルドバックと読む。フィードバックとは違うので混同しないように。

パブリックアドレス (public address)

拡声のこと。音声を拡大して、大勢の人に一斉に情報を伝達すること、または方法。PAと略して呼ぶ。

ハムノイズ (hum noise)

電源周波数に準じた低い「ブーン」という雑音のこと。この音は交流電源などの振幅によって発生する電磁波に由来し、日本では交流電源の周波数により50もしくは60Hzの低音として聞こえる。

パラメトリックイコライザ (parametric equalizer)

音質調整装置のひとつ。中心周波数、帯域幅(Q)、帯域ごとの振幅(レベル)を可変できる周波数特性補正装置。

パラレル接続 (parallel connention)

並列接続のこと。同じように並べてつなぐこと。極性のあるものは、陽極(+)は陽極、陰極(-)は陰極と同じ極同士を接続すること。並列接続した時の抵抗やインピーダンスは、それぞれの抵抗値の逆数を加えた値を、逆数にすれば求められる。

バランス型回路 (balanced circuit)

信号を送るための2本のコード(芯線)を、外部からの雑音を遮断するシールド線で覆っている回路をバランス型(平衡型)回路という。

2本の芯線は、互いに反転した逆相の電圧を伝送していて、伝送途中に誘導される雑音は2本の芯線に同相で入るため、入力トランスで打ち消される作用がある。したがって、アンバランス型よりも外部からの誘導雑音が少なく、ケーブルを長くすることが可能である。⇔アンバランス型回路

パワーアンプ (power amplifier)

スピーカーを鳴らす電力を供給するためのアンプ。プリアンプまたは音響調整卓の出力信号を電力増幅してスピーカーを駆動するもので、通常は8オーム程度の低い出力インピーダンスになっている。

パワードミキサー

アナログ卓に簡易な周辺機器(エフェクターグラフィックイコライザー)、パワーアンプを内蔵したミキサーの総称。

パンポット (panpot)

2チャンネルのステレオでは、左右のチャンネルに送られる音量と位相の差で音像(音源)の位置が決まる。パンポットは、一つの音を左右のチャンネルに分配して、連続的にそれぞれの音量を逆連動する装置。左右の音量差を変化させることで、音像を自由に移動させたり定位させることができる。通常は音響調整卓に組み込まれている。



ピーキングタイプ (peaking type)

イコライザーのレベル変化の形で、ある周波数帯域だけを調整する特性のもの。

ピークレベルメーター (peak level meter)

入力信号の波高値を指示するメーター。打楽器など立ち上がりの速い音のとき、VUメーターでピーク値は指示されないが、ピークレベルメーターでは、ピーク値が読め、電気的にむりのないレベルの設定ができる。

ビット (bit)

デジタルの信号を表すときの最小単位で、1ビットは「0と1」というふたつの値を持っている。つまり、1ビット増えるごとに倍々となり、CDやデジタルレコーダーなどで採用されている16ビットの機器は65,536とおりの状態を表現できる。

たとえば同じ1ボルトの信号を扱う場合に、8ビットなら1÷256=0.00390625となり、表現できる最小値は約0,004ボルトとなる。また16ビットでは、1÷65536=0,0000152587で、最小値としては約0,000015ボルトとなる。

この最小値より小さい信号は表現できずに雑音となってしまうため、音響的に見たS/Nがこのビット数によって決まる。基本的なS/Nはおよそ次の式で計算できる。

S/N(dB)=ビット数×6

ちなみに16ビットでは16×6=96でS/Nは約96dB

110号プラグ/ジャック

110号とは型番で、本来は電話局で用いられていたプラグ・ジャックである。音響用設備でパッチング用に使用しているホールがまだある。110号(ひゃくとう)と呼ぶ。

ピンクノイズ (pink noise)

ホワイトノイズは高域になるほどレベルが高くなっているが、これをオクターブ単位ごとに-3dBのローパスフィルタを通すことで聴感上、平坦にしたものがピンクノイズである。測定用信号として用いられる。


フリーランスにもっと安心を!


フリーランスの報酬を即日払い【FREENANCE】

5リズム (five rhythm)

リズムセクションの編成で、ピアノ・ベース・ドラムス・リードギター・サイドギターなど5つのリズム楽器の総称。4リズムにサイドギターが加わったもの。

ファンタム電源 (phantom powering)

コンデンサーマイクロホンを動作させるための電源供給方法のひとつで、電源専用の回路を用いないでマイクロホン回線に電流を乗せて供給する方式。通常この電源は調整卓に内蔵されていて、電圧は48Vを使用するものが多い。電源の直流成分はトランスまたはコンデンサーにより信号成分と分離される。

フィードバック (feedback)

アンプなどの出力の一部または全部を入力に戻すこと。スピーカーから出た音が、マイクロホンに混入すること。よってハウリング現象のことをいう。

フィルター (filter)

周波数帯域の必要な部分だけを通過させ、ほかの部分は阻止する回路のこと。フィルタは大きく分けて、ある周波数より高い周波数だけを通過させるハイパスフィルター、必要な帯域だけを通過させるバンドパスフィルタ、不必要な帯域を阻止するバンドリジェクションフィルタなどがある。

フェーダー (fader)

連続的に音量を調整する装置。一般的には音響調整卓の音量調整器のことをいう。

負荷 (load)

電源につないで、ある動作をさせるものを負荷という。電源につなぐことを「負荷をかける」という。たとえば電池は電源であり、それにつなぐ電球は負荷である。パワーアンプにつなぐスピーカーは、アンプの負荷である。

負荷インピーダンス (load impedance)

アンプに負荷を接続したときそこに電流が流れて、負荷は抵抗と同じ動作をする。つまり、負荷には必ず抵抗値が存在する。この抵抗値は周波数によって変化するもので、マイクやアンプの負荷に存在する抵抗成分のことを負荷インピーダンスという。

ブーミング (booming)

室内で音を聞いたとき、低音域が必要以上に響き不快な感じになることがある。この状態をブーミングという。ブーミングの主な原因は、低音域の残響時間が長く、低音が減衰しないで残り多くの定在波が発生していることなどである。

ブームスタンド (boom stand)

逆L型をした自由に上げ下げや伸縮できるマイクスタンドのこと。このスタンドを使用すると、音源とマイクの距離、角度を自由に調節できる。

フライングスピーカー (flying loudspeaker system)

ステージ上部に吊り上げて使われるスピーカー。客席との距離を比較的均等にできるため、均一な音圧と音質を得る点では、舞台の両側にスピーカーを積み上げるより有利である。

プリフェーダー

音響調整卓の入力フェーダーを通過する以前から信号を取り出す分配回路。

フルレンジスピーカー (full range loudspeaker)

 ひとつのユニットで、低音域から高音域まで全体の帯域を再生するスピーカーをいう。

プレイバック (play back)

音を再生すること。

プロセニアムスピーカー (proscenium loudspeaker)

劇場のプロセニアムアーチに設置したスピーカーシステムのこと。プロセニアムの両サイドに取り付けられたものは、カラムスピーカーと呼ばれる。

ブロックダイヤグラム (block diagram)

音響機器などの複雑な回路を、それぞれ機能の異なる部品ごとにブロック化し、その機器の回路構成が簡単に理解できるように図式化したもの。

フロントローデッドホーン (front loaded horn enclosure)

コーン型スピーカーの前面に短いホーンを取り付け、低音域の放射効果を高めるスピーカーボックス。主として、低音用スピーカーシステムに使用する。



ヘッドアンプ (head amplifier)

音響装置の最初の部分にあるアンプの意味。マイクロホンからの弱い信号を、回路の構成上、処理しやすいラインレベルまで増幅するためのアンプ。HAと略して記す。

ヘッドルーム (head room)

上部の余裕という意味で、機器の標準的な動作レベルあるいは実際に動作させているレベルに対して、あとどれだけ大きな信号を扱えるかという余裕の度合いを表す。

音響機器が歪むレベルと実際に加えている音のレベルとの差をデシベルで表す。通常、アナログのテープレコーダーで15dB、デジタルレコーダーで20dB、ミキシングコンソールのヘッドアンプで30dB程度のヘッドルームを持っている。

ヘルツ (hertz)

周波数の単位。音波が1秒間に振動する回数のこと。Hzと書く

ベロシティマイクロホン (velocity microphone)

リボンマイクロホンとも呼ばれ、電気エネルギー変換の原理はムービングコイル型と同じであるが、振動板として磁極の間に薄いアルミ箔をリボンのひだ状に張ったもの。音波によってアルミ箔が振動し、それに応じてアルミ箔の両端に電圧が生じる。

ポップノイズ (pop noise)

歌やスピーチなどの子音の発音時に強く短い息がマイクロホンに当たり、ボコボコという雑音を発生すること。

ホワイトノイズ (white noise)

あらゆる周波数成分が含んでいる雑音のこと。オクターブ単位ごとに3dBの割合で高音域が上昇しているので、聴感上は高音域が強く聞こえる。参照:ピンクノイズ

ホーン型スピーカー (horn type loudspeaker)

ドライバーユニットの振動板から出た音を、ホーンを通して空間に放射するスピーカーのこと。指向性が鋭く能率が高く、過渡特性が良いので歯切れのいい音が得られるのが特徴。反面、コーン型やドーム型に比べて再生帯域が狭い。ホーンの形状には次のような種類がある。

広がりの素直な形状のエキスポーネンシャルホーン

広がりの鋭い形状のハイパボリックホーン

広がりのゆるやかな形状のコニカルホーン

ホーンロード (horn load)

スピーカーユニットにホーンを付けて鳴らす方式。コーン型スピーカーをホーン型キャビネットに取り付けたシステム。スピーカーユニットの前にホーンをつける形をフロントローデッドホーン、後ろにホーンをつける形をバックローデットホーンという。




TOP

舞台用語

音響用語

音楽用語

その他